ダート・・・なの?
カルトゥーシュは、父がトーセンラー、その父がディープインパクトで母がバシマー、その母の父はチーフズクラウンの仔であるグランドロッジが母の父である。
父、父の父、母の父を見ただけだと、バリバリの芝血統である。
また、カルトゥーシュは父トーセンラーの父であるディープインパクトの母のウィンドインハーヘアの母がBurghclereで、バシマーの母の母もBurghclereということで、Burghclereの4×3のインブリードを持つ。
ディープインパクトは種牡馬としてはバリバリの芝血統で、ダートはあまり良いとは言えない種牡馬だ。
ディープインパクトの父であるサンデーサイレンスは、アメリカのクラシック(ダート)で2冠を達成している馬にもかかわらず、その仔であるディープインパクトは種牡馬としては芝専門と言ってもいいほどダートがダメだったわけだから、その素養は母系にあると考えるのが妥当であろう。
そう考えると、その母系を構成するBurghclereのインブリードを持つカルトゥーシュは普通に見ればやはり芝馬であるはずだ。
新馬戦4着。豪脚を見せた
そんなカルトゥーシュは、もともとトモが緩く、坂が苦手かもしれないということでローカル開催でデビューした。
イメージとしては良い時は直線に向いてじりじりと良い脚を見せるか、もしくは悪い時は直線に向いてずるずると後退するイメージだ。
だから、先団にとりついて直線向いたときには先頭集団にいないといけない。
少なくとも関係者のコメントからはそう見て取れるコメントが多かった。
実際にレースに出ると、スタート良く先団にとりつき、そのまま直線に向かって思った以上にキレのあるいい脚を使って4着となった。
緩さはあるにしてもそれなりにいい脚を使えることが分かったのだ。
2戦目7着。騎手のコメントで
迎えた二戦目。なにせ、前走新馬戦でいい脚を見せているので、今回はもしかしたら差し切ってくるかもしれないなんていう期待もあっただろう。
そこそこ人気もして、同じように考えていたファンも多かったものと思われる。
しかし、直線は囲まれてしまうなどの不利もあって7着。
とはいえ、決して悪い内容でもないし、このまま頑張っていけばいずれ勝ち上がれるかなと思っていた。
そして、カルトゥーシュの周囲をざわざわさせることになる。
騎手がレース後のコメントでダートもいいんじゃないかとコメントした。
その時は、調教師は騎手のコメントに反応しなかったようだが、後に、騎手が言うんだから一度試してみたいと、ダート戦を一戦使ってみることとなった。
12月28日
その日がやってきた。
ちなみに、戦前までの関係者以外のコメントとしては、まず、
- 血統的にはどう考えてもダートに向いていない。トーセンラー産駒は今まで100戦近くダートを使ってただの1勝もあげていない
- 走法を見ても芝に向いていそうでダートはからきしダメなんじゃないか
- なぜ調教師は若い騎手の言うことを鵜呑みにするのか
などなど。。。思った以上に散々ないわれようだった。
それでもダート戦を使おうというのだから、何かしら見どころがあると考えたからだろうシルク・ノーザンのやることだぞと。そう考える人もいたようだ。
パドックでは
まずは、2戦目は続戦で使ってそれでもまだ少し余裕があるということだったので今回もマイナス体重での出走。
随分仕上がってきているようだった。
馬体もいい感じで、パドック解説で5番手の評価をもらっていた。ただし、解説者はダートでどう出るかは疑問だと言っていた。
本馬場入場で
本馬場の入場でも、気の悪いところを見せず騎手に従ってキャンターで駆け抜けていく。
いい雰囲気だ。
スタートで
スタート。ゲートもよく我慢していた。
思い切りよく飛び出して中段あたりに位置付ける。
当初、このレースを見たときは悪くない位置だなと思ったが、考えてみたらそこそこ良いスタートをしたのに、中段まで下がったともいえるわけで、今になって思えば、やはり適性が無いのかもしれない。
最終コーナーで
スーッと外目を回りながら先団にとりつく勢いを見せるが先団の中の後方までしか上がれていない。
最初に見たときは足を溜めているのかと思ったが、今になって思えばあれが限界だったのだろう。
最後の直線で
直線に向いたとたんずるると後退。
新馬戦で見せたいい脚を出すことができれば、差し切れる距離だったが、そこから一気に、メンバー最遅であろう末脚で逆噴射。
ゴールしたらブービーの11着だった。
ギリギリタイムオーバーは避けられたようだが、改めてなぜダート戦に出たんだろうと考えてしまう一戦となった。