投資をやっていますという話をしているからなのか?経営相談が結構来るのだが、売り上げは伸ばせるのだが、どうにも資金繰りがうまくいかない中小企業経営者の方が多い気がする。
ネットショップ運営の資金繰りについて
まとめて総論を先に言ってしまうと、資金繰りは仮に、半年間程度売り上げが0円でも資金を回せるだけの資金力を持ってください。
細かいことは後述します。
仕入れと売り上げの関係
楽天市場やYahooショッピング、Amazonなど大手モールを足掛かりにネットショップ運営を始める方も結構多いと思います。
そうじゃなく独自ドメインで運営したとしても、購入者のほとんどはクレジットカード決済でしょう。
まずは、入金サイクルというものが出てきます。
大手モールはそれなりに頑張ってくれて、14日~30日程度で振込入金があります。
しかし、今売れても入金は遅ければ30日後です。厳密に言えば、この期間は売掛として数字上は売り上げが計上されますが、実際の現金入金は1か月後ということです。
仕入れ代金は売り上げ入金より先に来ます
かたや、仕入れた品物の支払いについてはほとんどの場合売り上げ入金より先に来てしまいますよね。
最近は問屋も掛け売りを嫌がりますので、先にお金を払わないと品物を送ってこないということも増えました。
ネット専業問屋などは後払いシステムを導入して掛売するところもありますが、ショッピングモールは商品を仕入れてから販売を始めるのが一般原則ですから、物が届いて即日完売とでもならない限りほとんどの場合支払いの方が先に来てしまいます。
また、大手ネットショップモールは大体が、月末締め、翌月前半振込、もしくは2週間スパンで3~5日後入金というのが多いので、入金サイクルと支払いサイクルを考えてもやっぱり入金より仕入れの支払いが先に来ます。
もちろん、毎月のことですから、何回転かしてこれば、最終的には入金と支払いのサイクルに安定が出てきますが、その安定について、私は大体半年くらい回転してこないとわからないだろうと考えています。なので、最初に書いた結論の、半年間、仮に売り上げが0円だったとしても回るくらいの資金力がないといけないということにつながります。
新商材の追加仕入れや、広告の購入、人件費、梱包材仕入れなど、目に見える売上と経費以外にもたくさんの資金需要があります。
また、売れたら売れた分だけ支払うモノ以外で、固定的にしかも先んじて買っておかなければいけないものもたくさんあります。梱包材などはまさにそうです。
なので、半年くらい耐えられる資金力が必要です。
また、側面から見ると、ある程度在庫を積まないと大きな商いができないのが物販の世界ですから、なおのこと、支払いの方が先に来ます。
仕入れて1ヵ月、販売を1か月、その1か月後に入金があると考えると実にタイムラグが2か月程度あるかもしれません。それで1サイクル。
利益を上げていくことを考えると、2~3周して初めてまともなビジネスのサイクルといえます。
また、売れれば売れるほど、その売り上げは在庫補充や新商品などの仕入れに回ります。
なので、ざっくり考えても、半年間売り上げ0でも会社が回る程度の資金がないとネットショップ運営は難しいことになりますね。
小さなベンチャー企業、ネットショップ運営に手を出そうとする企業に投資される際には資金繰りについてもその経営者にしっかり聞いておく必要がありそうですね。