西暦2000年。
当時私は観光案内サイトを運営していました。
各県向けのドメインを取得し各県の観光地を1ページで紹介。周辺の飲食店(当時はホットペッパーのデータを利用していました)や宿泊施設(当時は楽天トラベル等)を紹介するサイトを作っていました。
1日のPVは、100万PVオーバー。
アフィリエイトなどの広告収入を得ていて月間100万円オーバーの収益がありました。
現在は観光サイトは売却し運営からは離れていますが、その当時いったいどんなことを行ってきたのか振り返ることでWEBサイトのアクセスアップにつながるのではないかと思い記事にしてみようと思います。
ユニークアクセス(UU)は重要
SEOとは、サーチエンジンに対してWEBサイトを最適化する【SearchEngineOptimization】のことですから、SEO対策により検索結果で上位表示され、WEBサイトへの流入が増えたとした場合、まずはこのユニークアクセスが増えていきます。
非常に重要なことです。
当時観光サイトの運営はサイトを制作した本人が運営していました。
カメラと鉄道が好きないわゆる鉄オタが、鉄道を撮影したついでに立ち寄った観光地の情報を書いているサイトでした。
その時点では、東京の観光ガイドのみ。
1日5万PVユニークは5000UU。要は1人10Pほど見ているようなサイトでした。
収益は10万円程度。
この時点で運営を私に移管しました。
すぐとりかかったのは同じテイスト、同じサイトコンセプトで他県のサイトを作ることです。
まずはガワから作ろうということで情報はほとんどないが、各県のドメインを取って同じデザインで前県の観光ガイドサイトを作りました。
情報が0ではよろしくないので、各県の誰でも知っている目をつむっていてもココ!と言える観光地を10個ずつ程度入力しました。
その時点で47都道府県×10=500か所程度の観光地の情報と周辺の飲食店・ホテルのページなどが出来上がり、飲食店やホテルのページはたくさんできますので数万ページ増えています。
またドメインを違わせている(当時はIPアドレスもCクラス以上で変えながら運営していました)ので、新規ドメインとして検索エンジンからはハネムーンを受けたり、SEO的に東京だけでは至らないキーワードでの検索も増え、アクセスが20万PV程度、1万UU程度まで上がりました。
収益は10万だったものが15万程度でしたがこれは、まだまだ観光地情報が少ないため、濃いユーザが来訪していないと感じていました。
まずはSEOでユニークユーザを増やすことに注力しました。
新規ページをどれだけ作るかがSEOのポイント
私は2024年の今はSEO対策というものを特段追及していません。なぜなら、今はサーチエンジンからの来訪だけではなく、XやInstagram、TikTokなど各種ソーシャルメディア。まとめサイトなどからの流入も考えられます。それらSNSの場合はいかにバズるか。バズったポストからの流入を考えられるのかのほうが重要だからです。
もちろん検索エンジンを軽視しているわけではありません。検索エンジンも2000年代と今では仕様が違い、AIなども実装されつつある中、HTML構文でキーワードの含有率がどうだとか、ALTにキーワードをちりばめてどうこうという処理をするよりも、見た人にとって益の高い、良質なコンテンツをしっかり書くことのほうがSEO的な意味では重要だと考えているからです。要はSEM的な要素です。
ページビューは最重要視するべし
PVの数字は、UU×一人当たりのPV=総PVとなりますので、ユニークユーザ数も関係はありますが、一人当たりの平均PV数という数値が非常に重要です。
1人10P閲覧するサイトと2Pしか閲覧しないサイトがあった場合前者のほうが総PVは大きくなりがちです。
ただし、迷子になって10PVなのと、意味のあるコンテンツを10P見たのでは同じ10PVでも意味が違います。
よって先述の通りまずは良質なコンテンツ作りが必要で、その後は手に取りたい情報が次のページに用意されているといった的確など線設計が必要になります。
これが非常に難しいのですが、実際に自分が観光地の情報を探すとしたらどうやって見るのか。
自分だけではなく、周りのスタッフやそのスタッフの家族、老若男女問わずどうやって探すのか、閲覧に至るのか徹底的にリサーチしました。
その結果、あるボタンが右寄り左にあったほうがよりクリックされやすいとか、予約ボタンは大きいより小さいほうが実はクリックされやすいとか。
観光地情報を次の情報として出すよりその観光地の周辺の飲食店や、休憩ができそうなマンガ喫茶を出したほうが収益は上がりやすいなど、いろんなことが見えてくるようになりました。
ストーリーを考えることが重要
閲覧に来た人で収益を生み出すのはサーチエンジンのロボットではなく、人間です。
当時はPCがほとんどでしたが今ならスマホなどでも閲覧に来る人間が収益を生み出します。
なので、その人間が見て、見やすく、的確で必要な情報を素早く手にいれれないと客は離脱します。
そのうえで、見に来た人間が、どのように来訪し、何を求めてサイトに来て、その情報はすぐに手に入ったのか。これを確認してサイトの構成を修正していかなければいけません。
私が行ったことは、まずは、その観光地なら観光地の位置(座標から地図にマークを付けること)、連絡先、定休日や開店時間など、行くとしたらどの日・どの時間に行けばいいのかが一目でわかるように記載。
また、その観光地の周辺のほかの観光地が地図で示されていれば、そのままの導線で次の観光地に行けると考え、周辺の観光地を表示するようにしました。
これにより、PVは倍増~3倍増となりました。
SEO/SEMは現代でも通用するのか?
まず、2000年代のSEO的なテクニックは通用しないと考えています。
むしろ、当時主流だったキーワード含有率の調整や、強調タグの重要ワードの刷り込みや、IP分散等、あまり通用しないどころか今ならSPAM扱いでもおかしくない気もします。
片や、私の提唱するSEMは、良質なコンテンツを定期的に生み出す。この手法でブログなりWEBサイトなりを運営している方は今になってアクセスが激増していてもおかしくないと思っています。
SearchEngineにしてみれば、検索したい人に、より効果的な良質なコンテンツを提供できればいい検索エンジンなのですからサイトのほうが良質であれば、それを優先して紹介したいはずですから。当時はまだまだそのあたりのロジックがゆるくて、技術的に対応できたのがSEOだと思っています。
なので、結果、的確な情報を書いているサイトこそ最強となったのが現代かなと思います。
通用するかしないか。この結論としては当時のSEO的なテクニックは現代では通用せずで特に意識せず、良い記事を書こうとしていれば自然とSEM的な対策になっていると考えていいかと思います。
ソーシャルメディアとWEBサイト
私はSNSはあくまで入り口となるツールであって、メインプラットフォームにはなり得ないと思っています。
インターネット上の中心はやはりWEBサイトであり、自分のサイトを持つということは自分で発信できるメディアを作ったに等しいと思っています。
ニュース速報的なものはXなどのソーシャルメディアで。TVでいえばニュースのようなコンテンツはYoutubeなどを使って動画配信すればいいです。
しかし、それらのアーカイブ情報をまとめて掲載したり、詳細な記事を分でまとめるのならやはりWEBサイトではないかと思います。
よって、WEBサイトのアクセスというのは企業であれば、求人などに成果に直結しますし、広告収入を得るようなインフルエンサーになろうと思うのなら、Xのフォロワーだけが数万では意味がなく、その数万フォロワーを活かして、youtubeやWEBサイトに誘導できるようなミックスされたコンテンツを提供することで安定した収益を生み出すと考えています。
結論:何が重要?
WEBサイトで何が重要なのか・・・と問われたらやはりアクセスです。
1日10アクセスのサイトと100万アクセスのサイトがあった場合、1年後そのサイトで生み出す収益にどのくらいの差が出るか、聞くまでもありませんよね。
昔は最重要指標はUUでした。
なぜなら、成果報酬型のアフィリエイト広告が多かったこと、アドセンス広告の審査が激辛でほとんどのサイトの場合OKがでなかったからです。
要はユニークユーザが多くないと成果も出にくかったからです。
現代は違います。最重要指標はPV・ページビューだと考えています。
アドセンス広告もクリック課金型から、総閲覧数型に変更されPVが多ければ多いほど収益も大きくなります。
元々UUもPVも重要指標ではあります。ただ、順位付けをするとしたら、昔はUUのほうがやや有利だった気がしますが現在はややPVのほうが有利かなといった程度です。