金先物相場が取引開始以来初めて6000円を突破しました。
1990年ころは2000円程度の取引価格だった金先物相場ですが、6000円を突破しました。
金価格というのは大変重要な意味を持ちます
もともと通貨といわれるものいわゆる【お金】は、金と同等の意味を持つものとして定義され、各国で金に変わるものとして流通しているものです。
もっと簡単に言えば、日本円であれば日本銀行がその額面と同等額になる金を持っているのと同じですよと定義しているものです。
極端に言えば、1万円をもって日本銀行に行けば1万円分の金と交換してくれるのに等しいものなのです。
その金の価格が上昇したというのは、逆に考えれば円の価値が下がったということでもあります。
平時の金の価格相場
従来であれば為替相場通貨間での価値の相対比較で金の価格が変動する面もあり、円の価値が安くなってこれば金の価格が上昇し、円の価値が高くなれば金の価格としては下落するものなのです。
円の価値が高いということは、その価格で購入できる金の量は増えるはずですから。
そして、平時、通常時であれば、それは相対的な価値の比較になることが多いです。要は同じ通貨で相手との相対比較です。
ほとんどの場合現在世界の基軸通貨といわれる米ドルを基準に円が安いか高いかに連動し、金の価格(日本円)で決まります。
もちろん対米ドルだけではなく対ユーロや対英ポンドなど複雑に絡み合いながら、金の価格も決まっていきます。
しかし、いまこのコロナ禍は、世界全体の実体経済にも影響が及び、いよいよ金融市場にも影響を及ぼし始めました。
コロナ禍については世界的に経済を疲弊させ、成長曲線を世界的に右肩下がりにしました。
要は世界的に成長が後退したといえるレベルで経済の先行きが不透明です。なので、為替相場では見えない、世界全般的に通貨の価値下落があるのです。
そうなると、価値の基準となる金(Gold)、金(Gold)の価値は不変であると考えたときに、各国が発行している通貨の信用の下落懸念から金の価値が高まります。
ようは、そんな信用不安な通貨で金を買うのなら今までと同じ価格では売れないな。。。少し高めに買ってもらわないと。。。下落懸念があるからね。というのが金の相場価格に反映してきます。
例えば、今、1万円分金を買ったとします。
この先20年後も、金自身の価値は変わらないとした場合、20年後の日本円の価値次第で価格が変動しているはずです。
今より20年後の方が日本円が価値が高ければ金の価格は下がっています。日本円の価値が今より下がっていれば金の価格は上がるのです。
ここまで先行きが不安な状態だと、通貨の価値より不変の価値である金で持っていた方が安心できるという見立てから金が買われているのです。
結果金の価格が上昇するという結果です。
金の価値が不変であるということ
金というのは採掘量がほぼ見えているというか、そこまで大量に発掘されません。
そして、金は配線基板や薬、様々なジャンルで利用されている金属でもありますので、減るものでもあります。
また、古くから今の貨幣のように買い物する際には金を利用して買い物をしていました。
海外では金貨、日本では小判などといわれるものを金で作っていました。
しかし、その物量と、重量からして、1円分の金貨を作ったり、1億円分の金を持ち歩くというのは現実的ではないためそれに代わる貨幣ができたわけです。
お金の基準はやはり金です。
この価値が不変ではなくなるとした場合を考えてみると、
大量に金が採掘された(今まで採掘された量と同じだけの量が短期間で採掘されたり、月を掘ってみると月はほとんどが金でできていたとか、そういう歴史的な発見があると金の価値は変わるかもしれません)
くらいしか思いつかない。
金以上に価値のある鉱物で言えばプラチナ(元は金ですから同じといってもいいかもしれません)か、ダイヤモンドか。。。人工鉱物なんかでも金以上に高いものもあるかもしれません。
が、これらは金を基準に価値を算定している面もあるので、金にとって替わるとは思えないわけです。
またダイヤモンドにしてもプラチナにしても、人工で作れてしまいます。
金は人工では今のところ作れない(厳密には水銀に中性子を照射すると作れるらしいのだが、金を作るために使う費用が金の価格以上になるためあくまで科学的な実験としてしか採用されていない模様だ。)こともあるので埋蔵量以上に金が生み出せないという考えから、不変の価値と考えられているわけだ。
この価値がひっくり返るとしたら、埋蔵量が膨大であることが分かったとき、もしくは容易に金を生み出せるようになたっときだろう。
今から金は買いか?売りか?
良く、一つの最適解として、米株式市場(S&P500や、NYダウ先物など)もしくは金を買っておくのが投資の一つの最適解といわれます。
めったなことで下がることが無いから長期目線でいつでも買いを入れておけば長期的には値上がりするといわれています。
この2つともについてですが、今回のコロナ過で前代未聞んお下落を記録しましたが、今はV字回復してコロナ前に戻しつつあります。金に至ってはそういう意味ではすでにコロナ前を超えてきたわけです。
金は、すべての通貨の基準という考えがありますから、やはり、米株式より確実な最適解の一つではないかと思います。
短期的には値を落とすこともあるでしょうが、5年、10年単位の長期目線なら、上がることはあっても大きく下落することはないでしょう。
また、アフターコロナなどと今の新型コロナウィルスのこの世界的な経済崩壊状態から脱し、新しい世界秩序が生まれるのではないかといわれていますが、その新しい世界で金はどうなるのかというのを考えておく必要があります。
とはいえ、コロナ以後、金が急に増えるということが少し考えにくいので、コロナによって金の価値が不変ではなくなるということはないでしょう。だから、一時的な価値の変動はあるでしょうが、基本的にはビフォアもアフターも変わりません。変わるとしたらそれにとって代わるはずだった通貨価値の方です。
それよりもこの先、宇宙開発が進み、火星や木星あたりに大量に金が眠っているということになってくると、将来地球にもって来れるようになると価値が変わってくるかもしれませんね。
米株式は?
もう一つの最適解といわれる米株式市場ですが、世界の盟主として存在している限りは金以上の上昇率で上昇するでしょう。
ただし、【世界の盟主】として君臨し続けることができるかどうかがポイントになりそうです。
仮に戦争でもして負けてしまうと、その地位から陥落するでしょうし、勝ったとしてもその勝ち方次第では国自身の存亡の危機に立たされるかもしれません。
そのようなリスクがある分、金よりも上昇率は良いですが、少々リスクがあります。
戦後から今日に至るまではリーマンショックやチャイナショックなど、様々なことがありましたが、米株式市場全体で見たときには小さな問題だったとしか言いようがないです。
今回のコロナ禍で、戦後初めてといってもいいくらいの失業者・失業率を出しました。
そして、そんなコロナ禍も、今のところ経済的には過ぎ去ったインシデントとなりつつあり、復興に向けて動き始めた感じです。
今後も、今まで通り世界の盟主、世界の警察として動き続けるのであれば米株式も元に戻り上昇を続けると思われます。
が、世界の盟主・世界の警察の座から降りることになったときは。。。その見極めが重要です。