日曜日の静寂

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血統分析プログラムから見るクラブ馬たちの成績

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前回記事に書いた通り、『稼ぐ』クラブ馬を探すプログラムを作成開始しました。
そのうえで、現在作成したところまでで、各クラブ馬のすでにデビューしている馬を対象に、実際に診断プログラムが導き出した獲得賞金を超えるか超えないかをざっくりと調査してみました。

各クラブ馬の傾向

各クラブ馬全体の傾向として、やはり人気のあるクラブ馬は血統的にも魅力的な馬が多く、小さな人気があまりないクラブ馬は血統的な背景が薄い馬が比較的多いというのが印象です。
人気の高い、社台系列といわれる、キャロットクラブや、業務提携でいまや社台グループと言ってもおかしくないシルクホースクラブなどの馬をチェックしてみても、大変な良血といえます。(ここでいう良血は、募集価格より獲得予測額が上回るといういみでの良血です重賞に勝てるなどという意味での良血ではありません。)
逆に、非社台グループといえる、クラブライオン(元セゾン)などは、現状では良血といえる馬は少ない印象です。
父馬が同じでも、母馬の血統背景が薄く、自然と期待値が下がってしまう馬が少なくなりませんでした。

診断プログラムどのような計算方法か

簡単に説明すると、父馬・母馬が輩出した競走馬の平均獲得賞金額というのがあります。
父馬は、人気のある種牡馬であれば年間100頭近くに種付けをするので、サンプル数も十分ですが、母馬は、1年に1頭の排出。どんなに生んでも母馬は一生のうち5~8頭程度しか生み出しません。
そのうち1頭でもディープインパクトのようなとんでもない馬がいれば、この父・母だけの期待値がドンと上がってしまいます。
なので、同じように要素で見ることができそうな母の父、母の母、母の母の父なども要素に組み入ることで、期待値計算の精度をより丸めるようにしてみました。

サンプル計算

たとえば、2019年12月現在で4勝を挙げているクラブライオンのジェミニズで計算してみます。。
募集価格は900万なので、目標獲得賞金額は2700万円。
診断結果では、父・母からの期待値では2470万円、3代血統からの期待値では2100万程度という計算が出てきました。
少し足りないが、2000万円稼いでくれる期待値でこの価格ならお手頃でお買い得かもしれないという程度です。
まだ引退をしていないので確定ではないのですが、2019年12月現在で中央・地方合わせて約7000万円弱という結果になりました。
この馬を仮に買っていれば、周りから見たら条件戦クラスの馬に見えますが、馬主孝行ないい馬だったといえます。

つぎに、パシウレスライオンを、診断。
こちらは募集価格が3600万円と、上記競走馬より、募集時は期待値が高かった競走馬と思われます。
この事情は、母馬の産駒に、獲得賞金が1億を超えるダノンフェニックスがおり、合わせて3頭5000万円を超える獲得賞金がある兄姉がいるため、3600万円という落としどころの価格になったのだろう。
しかしながら、血統診断的な結果では、2400~2600万円程度となっており、上記と違い、期待値からも募集価格を上回っておらず、買には至らない競走馬となった。
こちらも現在まだ引退はしていないが、獲得賞金が3400万円程度と、募集価格以下で、これでは預託料や飼い葉代、手数料などをペイできていないと考えるしかない。

事後の血統評価を入れないように補正

例えば、今日、過去の募集馬の診断をそのまましてしまうと、昨日までの成績を組み入れたまま計算してしまうのではまずくなります。
新種牡馬の産駒などの場合、父馬の成績は現在ないわけなのだから、期待値の中に、その産駒より後の成績を入れてはいけないのです。
もちろん、今から募集がかかる馬については今の時点の成績はすべて過去のものなのだから組み入れても良いのです。
なので、募集時より、未来の成績は組み入れないように計算できるように補正してあります。
なので、ジェニュインやタヤスツヨシなどのサンデーサイレンス初年度産駒は期待値としてはそこまで高くならないはずだし、イシノサンデーなど2年目の産駒は多少期待値は上がるにしても今ほどの評価で出てこないのです。

実際に1992年度産駒として、ジェニュインの期待値調査をしてみたところ、当時の予測ではせいぜい2000万円程度というのが初年度の評価になりました。
かりに、ジェニュインの全弟がいたとして、2002年度産駒として計算すると、5500~7000万円前後という予想になります。
実際、全弟はたくさんいて、5000~13500程度の獲得賞金の馬が8割程度という感じになります。
なので、評価制度としてはちょうど真ん中あたりを付くいい感じの仕上がりになっているといえます。

さて、次はキャロットクラブで調査してみます。
こちらも現在まだ現役なので今後どうなっていくかどうかわかりませんが、ちょうどよさそうなサンプル馬ということで、重賞勝ちまで至らずとも、そこそこ走っている馬で調査してみます。
2012年度産駒のレントラーという現在まで3勝している馬です。募集価格は2600万円で、キャロットではそこそこ安価な部類に入る馬です。
ハーツクライはサンデーサイレンス産駒であるため、サンデー系としての期待値は高いですし、当時のハーツクライは父馬としての成績も上々で、当時の平均賞金額は3600万円もありました。しかし、母系に宿る血脈があまりよくないのか、母馬との掛け合わせから出てくる期待値は、2000~3700万円という結果となりました。
資金に余裕がない、選択肢がほかにないのであればチャレンジしてもいいですが、ほかに選択肢があるときは後回しになる程度の期待値となりました。
そして、現在の成績としては、約5800万円、募集価格のちょうど2倍程度、いいところトントンと言ったところです。
最近は成績もあまりぱっとせず、年齢も年齢ですからこれ以上の成績は少し望めないかなというところです。

つぎに、思わずみんなが手を出したくなりそうな血統のケルフロイデを診断。
こちらは父がキングカメハメハということで当時かなり期待度の高かった種牡馬です。
キングカメハメハ産駒の当時の平均獲得賞金額は3800万円と当時の種牡馬としてはそこそこ高く、母馬も、獲得賞金が4000万円を超える産駒を輩出していることからも募集価格は3600万円とされています。
パッと見た限りではそこそこ期待ができそうに見えます。
実際に診断してみると、期待値は3000~3800万円と、思ったほど数字が延びませんでした。
そして、現在の獲得賞金額は5500万円ということで、診断結果はハズレといえますが、少し物足りない印象が残ります。

大手クラブは募集価格もいいところを付いてくる

社台系のクラブは、人気があることもさることながら、さすがに募集価格より少し稼ぐ~2倍程度、要は、2倍でトントン、募集価格程度だと預託料などがマイナスというラインをうまくついてきます。
その代わりに、そういう馬たちの中には重賞級の馬も出てきますので、これらのクラブは、重賞勝ちできる馬が含まれてこればトータルでプラスになりそうという感じの募集価格が多いことがわかります。
実際に稼ぐ賞金額は人気クラブの方が稼ぐ馬も多いですが、募集価格がやはり2~3割程度高いイメージがつきました。
もちろんそんな中でも掘り出しもんといえる馬もいますが、なにぶん人気があって必ず買えるものでもないので、すごく微妙になってきますね。
しかし、重賞戦線に躍り出てくる馬が含まれてくるかもしれないと考えると。。。やはり1頭程度は探して買っておきたいものです。

血統から期待値を診断するということ

まだ、ベータ版なのでこの先、この診断結果も変わってくる可能性が大いにありますが、方向性としてはそんなに間違っていないと確信しました。
期待値を超える馬を探すという意味ではそもそも募集価格を下回る期待値の馬は買ってはいけないですし、やはり2~3倍以上期待値が高い馬を買っていくことで安定した収益につながるのは間違いないと思いました。
そして、そういうお買い得な馬が毎年何頭かいそうだというのも見えてきましたので、もう少し詰めていって、再度過去の募集馬で分析してみたいと思います。

今後の開発方向性

母系の実績をどう評価するか

ベータ版をテストしてみてわかったことは、母馬は、父馬ほど産駒を残せない(母馬は1年に1頭、父馬は多い父馬だと100~200頭生まれてくる)ので、同じ比率でサンプルをとってもダメだということが分かった。
これでは、母馬の持つパワーを的確に診断できない。
例えば、ビワハヤヒデやナリタブライアンを残してきたパシフィカスは、ナリタブライアンの全弟である、ビワタケヒデも残している。しかし、全体の平均をとるような診断ではビワタケヒデは価格からしても買ってはいけない馬といえるが、母馬の実績を対等に考慮すれば、可能性はあったはずなのだ。
ただ、無下に母馬の実績を父馬の実績とサンプル数を併せるような掛け算処理では、これはこれで正しいデータにならない。
どのように期待値に母馬系統を加味していくかは少し考える必要がありそうだ。
フラットに見るなら、父系も母系も、サンプルが多いはずの父系からのみ診断するというのも面白いかなと思う。
父の父、父の父の父・父の母の父、父の母の母の父や、母の父、母の母の父など、父親側はサンプル頭数も多い。
母の母や、父の母を追いかけてしまうと、サンプル頭数が一気に減るためサンプルにならない。
今後どうしていくか少し考えてみたいと思う。

サンプル数の差を同補正するか

例えば、サンデーサイレンス系の種牡馬が大量に今いるため、父の父が、万を超えるサンプルとなる。
しかし、海外から輸入してきた新しい系統の種牡馬になると、父の父のサンプルが一気に少なくなってしまう。
平均値をとると、どうしても、大量にある方の成績に引っ張られてしまうので、どのようにして平均をとるのかが重要だ。
現在はすべてを合算して平均値をとっているが、
父の平均・父の父の平均と、個別に取得したのちに平均の平均をとる方が良いのか。しかしこれはこれで何かが違う気もするが。。。
そのあたりのの計算ルールをもっと現実の成績に近い形で導き出せるよう計算を考えないといえけない。

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