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血統分析プログラムの修正~近い血統の実績から中央値を取得~

一口馬主研究会
血統分析プログラムの修正~近い血統の実績から中央値を取得~

先般、一頭投資対象馬が現れて出資した記事を書きましたが、一頭一口では、仮に投資に成功しても、大きな収益になるわけではありませんので、手広く投資対象馬を見つけていく必要があります。
はじめたばかりなので、まだまだ、たくさん出資するというわけにはいきませんが、2018年度産駒は1~2頭は出資したいところです。

今一度、投資の種目として有効なのかどうかも分析してみる

そのためには、まず投資種目として収益を上げることができるのかどうなのかがかなり重要です。
毎回コンスタントに重賞勝ち馬を見つけ出すことができればそれはそれは儲かるのでしょうが、なかなかそういうわけにもいきませんし、重賞勝ち負けできるような良血馬は、募集総額も高額になる傾向にあるため、1頭でも未勝利で引退してしまうと、ほかの馬で稼いだ利益を吹っ飛ばす可能性もはらんでいます。
募集価格は安い方が回収しやすいというのも当然ですが、逆に安い募集馬は走らない可能性も高いわけです。
そんな中で、私が思ったのは、血統的な背景から、回収できる可能性の高い馬を見つけることができないか?
というのが今回のコンセプトです。
突き詰めていくと、父馬があのサンデーサイレンスでも、2頭に1頭は未勝利で終わる世界ですから、1勝できる馬を見つけるというのが至上命題です。
安価な馬であればあるほど、1勝すれば元取りという可能性も高く、1勝できる馬を探すというのに近くなってきます。

投資金を回収できるのかどうかという視点で見た場合

飼い葉代、調教師への預託料や、騎手への進上金などもありますので1000万円の馬が1000円万円ぴったりの獲得では赤字です。
預託料は月間約50~60万円、2~5歳までの3年間ずっと厩舎にいたと仮に計算すると、大体2000万円程度かかってきます。(おそらく放牧などもあるのでここまではかからないとしても、このくらいはあらかじめ見込んでおいた方がよい)仮に募集価格が1000万円の馬の場合3000万円稼いで元だと思った方が良いかなというところです。
そうなってくると、販売価格が800万の馬も1500万の馬も、かかってくる経費の方が高いため、そんなに差が無いとも言えます。
なので、3000万円くらいまでの募集価格の馬はどれも同じくらいのスタンスで確認していくのが良いだろうと判断しました。

では、実際このくらいの経費が掛かるとして改めて獲得してくる賞金(出走手当なども含んで)は、2000万円プラス募集価格程度稼げる馬はどのくらいいるのか調べてみました。

案外といる!馬主孝行な馬たち本賞金

本賞金だけを見ると、正直なところどの馬も散々な成績で全然稼げないように見えます。
1勝クラスの馬で1000~2000万円程度、2勝クラスで2500~5000万円程度、3勝クラスで4000~1億円というところです。
3勝クラスというのは一昔前なら、準オープンなどといった呼び方をされていて、それでも条件馬なので、そんなに難しそうに見えないと思いますんが、社台系のクラブ以外だと、3勝クラスはひと世代に1~3頭程度しかいません。そして、社台系クラブは馬が安くないので純オープンで止まってしまうと少し厳しいのも正直なところです。
そう言った面からも、中小クラブでの3勝クラスはかなり狭き門です。
しかし、2勝クラスになると、そこまで難しいこともなく、1勝クラスでも、入着を繰り返して息が長く活躍している馬によっては1億近く稼いでいる馬もいたりします。
これは、本賞金以外にもらえる各種賞金のおかげでもあります。

6~8着までもらえる出走奨励金

1~5着までに入線した場合、入着といい方をします。
5着までは本賞金がもらえ、1着入線の場合、競走馬の獲得本賞金に賞金を計上できます。(今はクラスの概念が変わり、何勝しているかでクラスが変わるようになったので本賞金自身が意味がない表示になりました)。
獲得できる賞金のメインは、この本賞金で、1~5着に入線すればもらえます。
1勝クラスの特別レースで1着が1050万円、5着が10%の105万円もらえます。仮に5着を10回繰り返せば1000万円獲得できます。1勝クラスの5着なら、少し現実味がありますよね。
仮に募集価格1000万円の馬であれば、未勝利戦の勝利と1勝クラスの勝利で約2000万円近く獲得できますから、馬代金は2勝目の時点ですべてペイできて、あとは、調教師預託料をどこまでペイできるかになります。
3勝目を挙げたらもうこれはプラスの馬になります。
そんな中で、5着以降でも6~8着までは出走奨励金という名前で要は賞金がもらえます。8着で1着の6%なので、1勝クラスの特別レースで約60万円です。
重賞になると、10着までもらえ、10着が2%です。
G1になると、1着が1億を超えるレースもたくさんあり、仮に1億円の賞金の場合、10着で2%の200万円もらえる計算になります。
なので、馬主孝行な馬は、条件戦で2~8着を来り返し、徐々に着順を上げ、いよいよ1着入線し上のクラスへステップアップするというような競走馬はたくさん稼ぎます。
1勝クラスで3~4着を10連続で入着し、その後1着入線、2勝クラスでまた、5~8着を繰り返し地力をつけながら徐々に着順を上げる、というような競走馬は2勝クラスでも1億近く稼いでいる馬もたくさんいます。
入着賞金と出走奨励金の二つがかなり大きいからですね。

特別出走手当は、競走馬のお給料

JRAの場合、競走馬が出走すると、特別出走手当というものがもらえます。
もらえない場合もありますが、基本的にはもらえます。
その額がなんと約40万円です。
と言っても、よく走る競走馬でも月2回毎月出生し続けることはなかなか難しいです。
この手当だけでは調教師預託料は全額出ませんが、月に1回程度走ってくれれば、ある程度預託料の経費の2/3ほどは出る計算になります。
条件戦クラスの馬の場合、20戦、30戦と走っている馬はたくさんいます。
1~2勝クラスの馬の場合、この特別出走手当はかなり大きいです。
そのため、丈夫で息が長く活躍できる馬がいいですよね。

内国産奨励賞も馬鹿にできない!

父親が内国産馬の場合、5着までの入着した馬には内国産奨励賞という賞金が出ます。
新馬未勝利は少し厚い手当となっており1着は、100万オーバーです。
1勝クラスで60万円、G1だと300万円です。
そして、5着で10%です。
父内国産で、1勝クラス特別レースを優勝すると、本賞金1050万円、特別出走手当40万円、綯い国産奨励賞で0万円で、1150万円獲得できます。
新馬戦でも700万近くの獲得となります。

さらに付加賞!

付加賞は特別レースや重賞レースに出走登録をする際に納付する登録料を1~3着までに入線した馬たちでわけあう賞金です。
条件戦の特別レースで1次が1万円、2次が2万円といわれています。
仮に30頭近くが登録し総額で50万円集まれば、その50万円を1~3着までに入線した競走馬に、7:2:1の割合で配分されます。
人気があって、たくさんの馬が出走登録していたレースだと、たくさんもらえる時もあるようですね。

他にも距離割特別賞などの賞もあります。

これらすべてを踏まえると、まず、父内国産馬は、条件戦クラスで戦う馬には、賞金上乗せが最初から設定しているということになりま。
また、特別出走手当を考えると、丈夫で息の長い馬は回収しやすくなってくるということです。
それらをすべて加味して考えると少し敷居は下がります。

血統分析についてより精度を高めました。

今までは、父が該当する競走馬、父の父が同じ競走馬と言ったように、絶対条件ではなく、複合条件(どちらかの条件が合致すればよい)というふうにして分析していました。
これは、パイが大きい方がより中央値はデータが取りやすいかもしれないという観点でしたが、これではサンデーサイレンスが父の父に入っている競走馬は異常に多く、そして、獲得賞金も高くなるため、あまり役に立たないデータになりかねないなと思いました。
そこで、父系統と、母父系統は絶対条件で結び、より、分析対象馬の血統背景に近い馬だけに絞り込み中央値を出すようにしました。
これにより、期待値が上がった馬も下がった馬もいて、過去の競走場で分析してみたら、より、稼ぐ馬と稼げない馬を見つけ出すことができるように近づきました。

母系統の血統の分析をより精密に

父馬がなんであるのかというのは競走馬にとって最も重要なファクターです。
今なら、ディープインパクト、キングカメハメハなどのトップサイアーの血なら、重賞も勝てるかもしれません。
しかし、いい父であればあるほど高額です。
稼ぐ馬を見つけるには募集価格が安価な馬の母系の特徴をつかみ、まず1勝できるのか、次に、募集価格を上回る賞金を獲得できるのか、母系から探ることが重要です。
なぜなら、父馬は、人気のある種牡馬なら、年間100頭近くに種付けをしますのでそのうち1頭でもG1を勝つことができれば1流種牡馬です。
しかし、母馬は年間1頭、どれだけ頑張っても生涯で10頭程度しか排出できません。
その少ない頭数の中からG1馬を生んでこなければ名牝といわれません。
そう考えるとシーザリオはすごいですね。重賞級の馬を毎度のごとく輩出しています。
今回は、重賞を勝てる馬ではなく、収支をプラスにできそうな馬ですので、敷居は下がります。
兄弟が複数いる場合はその兄弟たちの稼いだ賞金を見れば大体その母馬がもつ資質も見えてきますし、母系(母・母の母・母の母の母など、牝系をたどる)の過去の排出馬で大体その馬の系統や特徴、適正が見えるというものです。
ここに、種牡馬がかけ併せられたときに、どのような仔が生み出されてくるのか。想像ができない組み合わせはやはりだめです。

ミンナノヒーローを再度血統診断

出資したミンナノヒーローを修正した血統診断プログラムで再度診断。
まず、父馬であるゴールドアリュールはサンデーサイレンス系の中で随一のダート短距離血統として名を馳せています。
ダート限定ならぶっちぎりのリーディングサイアーです。しかも、芝では短距離までですが、ダートでは1600~2000mクラスと、短中距離戦線が活躍の中心になります。
これは、ゴールドアリュール産駒のダート馬はスタミナが上がるのではなく圧倒的なスピードとパワーで、距離適性に合わなくても押し切るからです。

母の父オグリキャップは実は...

ミンナノヒーローの母はミンナノアイドル。母の父はオグリキャップです。
オグリキャップはJRAでは、有馬記念や安田記念など芝の短中距離戦線を沸かした馬ですが、もともとは地方の笠松競馬所属で、その父ダンシングキャップはバリバリのダート血統です。
オグリキャップの産駒は数は少ないですが、やはりダートに適性のある馬をたくさん輩出しています。
父系で見たとき、ゴールドアリュールの父はサンデーサイレンスなので日本の競馬史の中でると、ダートより芝へ偏った実績があります。
(本来サンデーサイレンスも、アメリカ出身で、自身もダート戦線で活躍しているので本来ダート血統のはずです。)
父の父がサンデーサイレンスの競走馬を探すと、ディープインパクトの子どもなどがそうですが、そのほとんどんが芝戦線を席巻しているわけですからたただた父の父のサンデーサイレンスの実績を調べると、ゴールドアリュール産駒だって、芝で走れる!
という結論が出かねません。
今回修正したプログラムでは、父の父と母の父の血統的組み合わせ実績を出すとともに、父系統と母の父系統をAnd条件で絞ることで、オグリキャップと、母の母の父であるメンデスまで広げたうえで、父系と母系の過去の組み合わせデータで絞った分析データを作りました。
そうしてみたところ、賞金獲得期待値は下がったのですが、よりミンナノヒーローの血統に近い血統背景を持つ馬が出てきました。
それらの馬たちを確認すると、父の父がサンデーサイレンスのディープインパクトやスペシャルウィークの産駒でも、母の父系との組み合わせの場合ダートに強い馬がより多く輩出されていることがわかりました。
やはり当馬はバリバリのダート血統ですね。

そして、このオグリキャップ、母の父としてのサンプル数も少ないのでデータが左右する可能性もあるのですが、実は母の父としての実績はそんなに悪くないのです。
母の父としてのアーニングインデックスで約1.0、あのサンデーサイレンスで1.03、母父として大成功したマルゼンスキーで2.0程度、ステイゴールドは1を切る程度なので、種牡馬として全くいいところがなかったオグリキャップとしては母の父としての成績はかなりいいといえます。

母系の実績

母系、お母さんの血筋をたどっていくと、行きつく先はあのトウシヨウボーイを生んだソシアルバターフライです。
そのソシアルバターフライから、ダート血統を継いで継いで行きついたのがミンナノアイドルです。
トウシヨウボーイの代表的な産駒は三冠馬ミスターシービー、そのミスターシービーは種牡馬としては大成できませんでしたが、ダート馬もたくさん輩出しています。(芝の出走実績の方が多いが、勝率はダートの方が上)。トウシヨウボーイの産駒も芝馬もたくさんいますがダート馬もたくさんいました。(芝・ダートともに出走実績も勝鞍数もほぼ同じくらい)
もともと、ダートの素養は0ではない血統です。
このような血統背景を持つ母親に、父ゴールドアリュールはピッタリでしょう。
うまく出れば、ダート短中距離戦線を沸かす大物が生まれてもおかしくないのではないかと思いました。
その母系から出る期待値は、募集価格では信じられないの期待値で、中央値で4500万円あります。1勝確率は36%と、この価格では破格の実績です。
また、全兄が実際に4500万円近く稼いでいます。といっても、気性が荒く去勢を行っており、本来血統的にはダートに向いているはずですが、気性の荒さからか、ダートにはほとんど出走しておらず、芝の中距離戦線で2勝クラスでコツコツ入着を稼いでいました。
血統的に全く合わない芝中距離戦線でこれだけ活躍できたのだから気性がおとなしく賢いと牧場がコメントする当馬は、しっかり適性に合ったダート戦線で兄以上の活躍をしてくれるのではないかと思わせてくれます。

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