ミンナノヒーロー
ミンナノヒーロー競走馬データ
血統診断
【ミンナノヒーロー】(牡)~投資のための血統診断~ミンナノアイドルの17-ローレルクラブ
当ページは中央競馬に復帰した時点で公開するつもりで書きためてきました。
しかしながら、それが叶わないまま天に召されてしまったミンナノヒーロー。
忘れないよという意図も込めて公開することにしました。
ミンナノヒーローに出資を決めたのは、時期とタイミングだ。
私が出資を確定させたのは2020年の1月だ。
ミンナノヒーローはその時点で3歳。3歳の1月の時点では脚元の不安からまだ北海道にいて、ローレルクラブにて募集中のお馬さんだったのだ。
2歳の春~夏には、人気のクラブだと満口になっていて応募などできないのだが、当馬の場合、脚元の不安が大きく、いまだ満口となっておらず募集中だったのだ。
ローレルクラブでも、人気のある募集馬は2歳の春くらいには満口になる。なのでミンナノヒーローは脚元の不安によるもので、満口にはなっていなかった。
この時点で、3歳馬となる17産駒で募集がかかっているのはローレルクラブくらいのものだった。
その上で、父ゴールドアリュール、母の父オグリキャップで、全兄にそこそこJRAで勝ったストリートキャップがいる。募集価格からすれば即満口でもいいくらいなのだが、やはり脚部不安で売れ残ってしまっていたのだろう。
種牡馬がゴールドアリュール。全体の種牡馬ランキングでもTOP10に入るような種牡馬でNARリーディングサイアー。そんなゴールドアリュール産駒の3歳だったミンナノヒーロー。怪我さえしなければすぐにもデビューできそうなお馬さんに出資できるのはいいチャンスだった。
ミンナノヒーロー自体の評判も悪くなく、脚元さえしっかりしてこれば走りそうという評価が大多数だった。お馬さんとしては人気も高く、期待もされていたのだが、なにせ、本州に移動もできないわけだから、お金をかけてまで応援するというと話は別なのだろう。
私自身の拠り所としている血統診断では、あまり良い数字が出ておらず、普通なら投資を決断することは無いだろう。
しかし、2020年1月の時点で、すぐに出走が可能なお馬さんがいるとしたら、2020年度で3歳の馬だろう。その時の2歳馬だって、新馬戦が始まるまでにはあと半年近くもあるのだから。
結局ミンナノヒーローについてはデビューが近いという理由だけで出資した。やはり、半年~1年出資馬がデビューしないというストレスには耐えられないかもしれないという判断だ。
結果的にミンナノヒーローはデビューするのはこれからまだ1年以上も先となってしまい、2018年度産駒の2歳馬たちの方が先にデビューし、勝ち上がりも1世代下の18産駒で一口馬主投資において初めての勝利を手にすることになるのだが、この時は知る由もなかったわけだ。
この時点ではミンナノヒーローが最もデビューに近く、血統的にも勝ち上がりの可能性をおおいに秘めていると思っていたのだ。
脚元の不安との戦い
始めて不安なコメントが出たのは2歳馬となりデビューが迫ってきている2019年の5月・6月あたり。脚に張りと熱感が出ることがあるというコメントだ。
この時点では、幼駆によくありがちな脚元の疲れとも考えられるのだが。。。
後にわかってくるのだが、ミンナノヒーローは母の父であるオグリキャップと走り方が酷似していて、少し傾いて斜めに走るような走法なのだ。たぶん左右並びに前後肢のバランスが悪い。
現役で突き抜けていたときのオグリも同じような走りで斜めに走っていた。おそらくオグリキャップはバランスの悪さを克服し逆にそれを武器にしたんだろうと思われる。
ミンナノヒーローもそうなってくれればいいのだが。。。
ミンナノヒーローの馬体写真見ると、右と左の膝の位置が若干ずれていて、左右のバランスが悪いのかもしれないと思わせる。
本州移動の目途が立たず
2歳馬にとっての春から夏というのは大変重要な時期だ。
そのほとんどの馬たちは春から夏が第一陣という感じで、遅れて第二陣が夏から秋にかけて北海道の育成牧場から東西トレセン近郊の牧場へ移動する。
しかる後にトレセンへ入厩し、まずはゲート試験を受けて合格し、本追い切りを数本行ってデビューを迎えるのだ。
早い馬であれあ2月~3月。本州の雪が融けたらすぐにでも移動してとりあえずゲート試験を受けておく。
合格していれば次は4月~5月までトレセン近郊の育成牧場で成長を促しておく。
そして、6月から始まる新馬戦に出走するというのが最近の主流でもある。
ミンナノヒーローは2歳の9月時点では脚元の不安とソエの発症で本州移動の目途も立っていなかったのだ。
超速タイム計測
脚元の不安は一進一退を繰り返していて、良くも悪くもなっていない状況で足踏みといったところ。
ただ、強い調教を行うとすぐに熱感を帯びてしまい、頓挫する。少しすると引いてくるのでまた強い調教をするとまた熱感が...これを繰り返しながら2歳の年末まで差し掛かってきたのだ。
関係者がケアしながら育成しているので脚元の状態がそれ以上に悪化しなかったということなのかもしれない。
しっかり体を作りながらゲートの練習も北海道でビッチリ行う。
ここでしっかり練習をしておくことでトレセン入厩からゲート試験を難なく通過してくれればそのまま在厩でデビューまでいける。馬にかかる負担を極力軽減もできるはずだ。
11月。ミンナノヒーローに異変が起きる。
脚元の不安もあるため基本的にはBTC坂路での調教に主軸を置いて育成されていた。
年が明ければ3歳というこの時期にまだBTCで育成されているというのもある。
1歳年下の、年が明ければ2歳となる幼駆に混じって調教されているのだ。
もちろん1年先輩というマージンはあるので現1歳馬たちに負けることはあろうはずもないのだが、調教のタイムでとんでもないタイムを出してしまう。
BTCの坂路で13秒を切るタイムを連続して出してしまったのだ。
もちろん幼駆の育成場なので、成長途上の馬が基本的に多いのでこんなタイムを出すなんて言う馬がたくさんいるはずもない。
その上で年が明けたら3歳になるお兄さんなんだから早いタイムを出すのは普通ではある。
しかし、ミンナノヒーローはこの時計が初めて早い時計を出した時のタイムであり、もともと指示としては15~14秒程度だったそうだ。
体感よりタイムが良かったということなのだと思うが能力は高そうであった。
私はこのレポートを見て出資を決めたのだった。
馬代金を回収できるとはつゆほども思っていないが、本当の初年度となる2018年度産駒がデビューしてくる頃までは楽しませてくれるんじゃないかという期待からだった。
といっても出資は出資なのでポートフォリオに組み入れておいた。
そして、ミンナノヒーローはこのタイムを出したことで、本州移動が決まるのであった。
公開された調教動画を見ても、坂路調教時に口向きが相手馬の方に向いて斜めになって走っているのがわかろうかと思う。
おそらく左右の脚のバランスがあまりよくなく、走りながらバランスを補正して走っているのではないかと思われる。
母の父のオグリキャップも口向きがあまりよくなかったのでこれが隔世遺伝なのかもしれないと思った。
足踏み
やっとのことで本州へ移動してから、また足踏みが続いた。
移動した先の牧場でまた足元の不安が出てきた。熱感と張りが出てきてどうにも・・・ということであった。
おまけに両足がモヤついてきてさらには白血球の数値も高いと。これは、トレセンに入厩する前に3歳未勝利戦がなくなってしまうのではないかと、出資早々にして危機感を覚えた。
入厩
突如入厩したと連絡が。
元々北海道でもゲートの練習はしっかり行っているため入厩翌日にもゲート試験を受ける予定とのことだった。
入厩してゲート試験に合格してしまえばあとはレースに出るだけのことだ。
しかも、入厩翌日にも試験を受けるということなので負担も最小限だろうし在厩で進めるだろうと思っていた。
しかしながらゲート試験合格後すぐにまた放牧となった。
たった1日の入厩でも腰に疲れが出ているとのこと。今になって思えば、やはり弱さゆえの疲れだったのかもしれない。
足踏みの繰り返し
とはいえ、たった一日の在厩で再度放牧なのだからさすがに次はそこそこのリフレッシュで帰厩するだろうと考えていた。
しかし、これが甘かった。約2か月。脚元が浮腫んだり熱感を持ったりを繰り返してしまい、入厩までさらに時間がかかってしまうことになった。
今になって思えばこれでさえもミンナノヒーローにはきつかったのかもしれない。
デビューに向け!再入厩・・・
5月、やっと再入厩となった。
この時点で、同級生たちの最初の大舞台の一つともいえる皐月賞が終わっている。
ミンナノヒーローの同期といえば、牡馬ならコントレイル。牝馬ならデアリングタクトだ。
両馬とも無敗で皐月賞・桜花賞を勝ったところだ。
華やかな同期の馬たちがいる裏側で、やっと、形式上デビューにこぎつけられそうになったミンナノヒーロー。
ここまで来たらまずはデビューしてくれという気持ちだった。
追切~脚元の不安へ
最初の時計は5月14日。時計を測っているもので2本。入厩して一発目の追い切りということでそれなりに流して走っていたタイムなのだろう。それでもそこそこのタイムなので、あとは1本か2本早めに追い切ってデビューという感じかと思っていた。
翌週の5月20日、セオリー通りの強めの早い時計の追い切り。
美坂重1回・4F54.0-39.3-25.4-12.2(一杯に追う)
ということで、悪くないタイムだ。
翌日合計2本、うち1本は強めの調教。
助手・5月17日(日)美坂重1回・4F60.0-44.6-29.2-14.2(馬なり余力)
助手・5月20日(水)美坂重1回・4F54.0-39.3-25.4-12.2(一杯に追う)
リアンフィーユ(3歳1勝)一杯に0.7秒先行0.2秒先着
ということで悪くない調教だ。
しかし、クラブの報告にはこの時計の下に一文がついていた。
尚、本馬は本日左前肢に跛行が見られましたので、トレセン内診療所にて検査を受けています。
破行とは乱れた歩様のことを差すので、明らかな怪我か、たまたま歩様が乱れただけか、破行だけではわからない。
ただ、トレセン内の診療所で検査を受けるというのは怪我か何かで歩様が乱れたと調教師が判断したということだ。続報が待たれる。
骨折判明
結局、左前肢橈骨遠位端骨折(左膝外側の剥離骨折)という骨折で手術適応となってしまった。
全治6カ月の診断。この報告が5月27日だから、全治してすぐ復帰したとしても12月末。
もう未勝利戦もない時期だ。
これをもって、JRA登録を抹消。再ファンド前提の地方競馬に行くことが決まった。
引退となる馬も多い中で再ファンド前提の地方競馬行きということはまだ関係者はミンナノヒーローに期待をしている面があるということだ。
クラブ馬なので、もちろん維持会費などの徴収の面からも再ファンド前提で引退させないことで引き延ばしができるという面もあるのだろうが、この馬についてはそんなことよりも、なんとか走らせたいという思いが強かったように思えた。
再ファンド申し込み
初出資の馬なので当然なのだが、JRAの登録抹消も初めて、地方行きが決まったのも初めて、もちろん再ファンドも初めてだった。
まだミンナノヒーローは走っていないということもあるし、初出資であること、私の出資馬は一頭も走っていないという環境でもあったので今回は再ファンドを申し込むことにした。
というか、たぶんどの馬でもよほどのことがない限り再ファンドになったら申し込むと思う。
それにしても復帰するまで半年以上先だ。
地方競馬でも北海道や東北、金沢なら12月あたりでいったん閉幕。まだ行き先が決まっていないミンナノヒーローは雪が融ける春までは開催がない地方競馬に行くかもしれない。そうなるとデビューは1年後だ。
この時点では、高知あたりにでも行って、年末か年明けあたりにデビューを迎えるだろうから、そこまでのことはないだろうとタカをくくっていたが、結果的に約1年後に初デビューとなるのだった。
再度故障発症
手術からやがて5カ月、もう少しで復帰に向けて再育成の声がかかりそうな時期だったが、どうにも膝まわりが落ち着かない。
熱感があって、腫れていると。手術部位に近いのでその影響ではないかといわれていたのだが実際に診療所でしっかり調べると再度骨折していたことが分かった。
ここからさらに、全治4カ月の診断が下った。
11月の末だから早くても来年の春以降だ。
来年の春というのは2021年の春。ミンナノヒーローにしてみたら4歳の春だ。
クラシックどころか、一番活きのいいはずの3歳世代を怪我で丸一年棒に振ったことになる。
また、調教をしているわけでもないのに再度の骨折はかなり致命的な気がした。
関係者サイドは再度復帰を目指すようだがあまりに痛々しくて、今後を考えた方がいいのではないのかと思い始めていた。
元気
手術後は、小さなサンシャインパドックでたまに放牧のようなことをしてくれていたようだ。
本人は元気そのものでこの小さなサークルの中で暴れまわっていたそうだ。
関係者はまだ静かにしてほしいんだけど、暴れるし。。。ということでたまに放してあげていたようだ。もしかしたらこれが後々の圧勝劇につながっているのかもしれない。
入厩
2月19日、移転先予定となっていた水沢競馬の厩舎に入厩した。
正直この時点ではまだ本格的な調教も行っていないし本当に大丈夫なのだろうかと心配をしていたのだが、調教師はゆっくりと立ち上げていきたいとコメントしていた。
水沢競馬は開幕するのが4月だから確かに入厩が随分早い。おそらく雪もちらほら残っていたのではないだろうか。
しかし現地の水に慣れさせながらじっくりと鍛錬を積み上げていけば怪我無く鍛えられるのかもしれないとも思っていた。
もうミンナノヒーローについては成績よりなにより、走ってくれる姿を見たいという一心になっていた。
ゲート試験・能力検定
地方競馬の場合、ゲート試験以外にクラスを決める能力検定(能検)というものがある。
ゲート試験はあっさり合格し、次は能検という段階だ。
能検はレースと同じ状況で走らせ基準タイムより早くゴールすれば合格となる。
ミンナノヒーローは未出走馬なので一番下のCクラスの能検を受ける。さすがに合格はできるだろうと思っていた。
能検合格。ただ、着順的には3着ということで、水沢のCクラスで能検とはいえ3着か。。。という気持ちもあった。
その後を考えると、この能検はデビュー戦みたいなもんで、既走馬相手に3着だったと考えると、まったくレースになっていなかったということなのかもしれない。
それがたまたま地方競馬だったので公式レースというより能検がそのレースになったということだ。
遅咲きのデビュー戦!
4月29日、水沢競馬場でデビューすることになった。
まずはレースに出られるところまで様々なケアをしながら繋げてきてくれた関係者に感謝しかない。
一時はデビューどころか下手をしたら何もせぬまま引退の可能性もあったのだ。
それを考えたら走る姿を見れるだけでもありがたい。
そんなレースだがデビュー戦ながら、ミンナノヒーローの単勝は2番人気の支持。
なにが根拠で2番人気なのかはわからないが、1番人気はJRAで5勝している9歳馬が水沢に転厩してきての1番人気。
本来なら圧倒的な人気になってもいいのだが、ミンナノヒーローがその人気を喰っている状態で、2頭がぶっちぎりの人気という様相だ。
いざレース。
4歳とはいえこれが初めての競馬。
まだまだ子供子供していて、結局その9歳馬を追いかけるような遊びの走り。
直線向いてもまだ9歳馬にカマってよといいながら走ってる感じでゴール。
僅差の2着で、3着馬とは大差だった。
これは、これは。
このままなら、3勝はあっという間に達成しそうだ。
衝撃の勝利!
2戦目。中一週で挑む。
中央と違い地方の場合は中一週は一般的なローテーションだろう。いわゆるメイチ(目一杯)の仕上げなどはしない。中一週のペースで出走できるように余裕を持たせて仕上げている。ミンナノヒーローにとってはそのような緩い仕上げも水に合っているのかもしれない。
ミンナノヒーローについても中一週ペースで出走可能な仕上げできているのであろう。
今回は前回1着の9歳馬はいない。
また3着と大差だったので、今回は敵なしという判断なのか。単勝は1番人気、1.0倍だ。
馬券を買ってもうまみが0という状態だ。
レースは、単勝どおりの優勝。大差圧勝。ミンナノヒーローにとっては初勝利となった。
地方の最下級クラスとはいえ、唖然とする着差だった。
なぜならまだ2戦目ということもあってミンナノヒーローがまともに前を向かないwずっと遊んでいるのだ。
それでこの着差だし、騎手もほぼムチも促しもない。調教より力を入れていない感じだ。
これでは負担もへったくれもないだろうと感じるくらいだった。
この圧勝をもって、見る人は見ているものだ。
水沢にとんでもない馬が現れたらしいと噂になり始める。
デビュー戦2着で翌2戦目を大差圧勝。これはどこかで聞いたことがある怪物と同じなのだ。
連勝!
続く3戦目。中一週半といったところか、5月24日に3戦目を迎える。今回も断然の1番人気。怪我でもしない限りまず負けないというセーフティーリードを前走見せつけているので馬券的にはそうなるだろう。
そしてレース。
今回は少し競馬をしようという感じのレースっぷりだった。
とはいえ、5馬身差以上離しての圧勝。またもやほとんど仕掛けずの調教レースだ。
もう3連勝も目の前、再ファンドの目の前となった。
3連勝なるか?
デビュー戦2着。2戦目圧勝。3戦目も圧勝。
こんな怪物が昔笠松競馬にいたそうだ。
オグリキャップ。
そう。ミンナノヒーローの母の父。おじいちゃんだ。
オグリキャップもデビュー戦は2着と負けて、2戦目、3戦目と圧勝したそうだ。
3戦目を圧勝したことで、オグリキャップを思い出し、その孫だということでずいぶん騒がれ始めた。またタイミング的にウマ娘というアニメがゲームへと移植され、レジェンド馬たちを今の若者が知るタイミングでもあった。
当ブログもミンナノヒーローの近況をブログ記事として書いているのだが、アクセス数が尋常ではなくなってきた。
ウマ娘の関係もあって、オグリキャップに重ね合わせて想いを馳せている人も多いのだろう。
ただ、オグリであれば...ということで不穏な話もある。
オグリキャップは4戦目は2着だったのだ。
生き写しで競走成績をトレースしているわけじゃないのだから、ミンナノヒーローも2着になるとは限らない。
しかし、ここまでマッチしてしまうと一抹の不安を覚えてしまう。
6月1日に連闘で4戦目に挑むとクラブから発表があったがその直後に、牧場サイド(現在の馬主となっているのが生産牧場さんになる)からストップがかかった。
わずかではあるけど、脚元に熱感があるということで、出走を控えてほしいと頼んだそうだ。
たしかに、ミンナノヒーローはここまで脚元に悩まされてきたのだから、憂いは断って挑みたいのは間違いない。
また、もしかしたらこの馬は伝説を作るかもしれないという期待もあるのだろう。
へたに怪我をして引退などとなったら目も当てられないのも事実だ。
この時点では六月末に水沢から盛岡へと競馬場が移り変わるのでそちらで3戦目を挑むと発表があった。
しかし翌週、急きょ6月15日に水沢で4戦目に挑むことが発表された。
これは理由が3つあって
- ほぼ確勝の水沢CクラスのうちにしっかりとJRA再登録の権利を取っておきたいこと
- 調教に乗ってくれている騎手から見ると今調子も良く今なら確勝といえるとのこと
- 盛岡に行くと、中央から移籍してくる馬やクラス昇格の絡みで相手が強力になるかもしれない
の3つから、とりあえず再ファンドのための権利取りをしておきたいということになったそうだ。
そして、ここで勝っても負けても、次は盛岡で一走はするとのことだった。
これは盛岡は左回りであること、芝のレースもあることで、JRAに戻ったときに左回りや芝の適応力を見定めるのにちょうどいいという判断だろう。
中央で厳しい調教に耐えられない可能性もあるし、東北競馬での当馬の能力についての位置取りをしっかり確認しておきたい意図もあるのだろう。
これらのことから4戦目、3勝目のレースに挑むことになる。
レース結果は、
この4戦、3勝のうちで一番強い勝ち方をしたと思う。
なにせ、また10馬身以上の大差で勝ったのだ。これで、まずは祖父のオグリキャップのデビューからの成績を上回った。
盛岡で一戦はさんでいよいよJRAに戻ってくることになりそうだ。
6月29日・7月6日の出走回避
その後一旦は6月29日のレースに出走登録を行ったようだ。
しかしながら、もう少し間隔をあけて走りたいということでキャンセル。7月6日の出走を予定する。
しかし、直前になってこちらもキャンセル。
膝にやや熱感を帯びていたそうだ。
とはいえ、岩手競馬の一般の馬なら気にしないレベルの熱感だということだそうだが、今後を考えて一旦出走は回避となった。
主戦騎手も、岩手のまま行けばA級も余裕で行けそうな馬だから、ここで回避は大正解だとコメントしたそうだ。
中央復帰が決定的なため、出資者としてはヤキモキするのだが。ここは馬の状態最優先。回避もOKだと思う。
次の出走登録が楽しみだ。
その後、7月20日に出走予定と報告があった。いよいよ壮行レースとなるのだろうか。
2021年7月20日
7月20日、盛岡でレースに出走が決まった。
牧場さんから、少し古傷に不安があるというコメントもあったが、出走に問題があるレベルではないという判断。
サラブレッドは経済動物であるといわれるが、走ることが宿命なのだ。私はこの出走判断に異議は唱えるべきではないと思っている。
夕方、クラブよりコメント。
7月20日(火)盛岡8R・オッズパーク賞・C1六組・D1400m・10頭立7枠8番に村上忍56.0kg・馬体重511kg(-6)で出走しましたが、最後の直線で馬体に故障を発症し、競走を中止しました。
佐藤(祐)師「楽な手応えで直線に向いたので、アクシデントさえなければ突き抜けていただろうと(村上)忍騎手は言っていました。膝部の骨折であれば水沢の厩舎へ連れて帰れたのですが、競馬場内の診療所で左前肢種子骨開放骨折により予後不良と診断されたため、安楽死の処置となりました。こんなことになってしまい、関係者の皆様にはお詫びの言葉が見つかりません。本当に申し訳ございません」
残念ながら本馬の再ファンドは中止となりましたので、再ファンドのお申込みを承諾された会員様には、ご案内書を送付させていただきます。大変悲しい結果となりましたが、これまで本馬を応援していただき誠にありがとうございました。
とのことでした。
私は、一口馬主はあくまで投資ファンドであり、株式や投資信託と同等の投資種目の一つとして良いと思った馬に出資しています。
と、常々当ブログに書いてきています。
回収可能性が低い投資種目というのも重々理解して投資しており、それはなぜかと問われたら、やはり、お馬ちゃんに出資して勝つ喜び、負ける悲しみを得たいからだと考えています。
しかし、眼前で故障が発生しそのまま天に召された。これほど辛く痛いものだと思いませんでした。
過去には、馬券を買って応援していたライスシャワー、そして、そのまま世界まで制覇するのではないかと期待したサイレンススズカを眼前で見ましたが、やはり、一口でも出資しているという思い入れの方が強いなと感じました。
Twitterでトレンド入り
地方所属の競走馬で、まだ下級クラスのCクラスのお馬ちゃんにしては異例のツイート数で、トレンド入りしました。
ウマ娘のオグリキャップの関係もあってか、ファンが多かったお馬ちゃんでした。
ただ、オグリキャップは母の父という、母方の祖父ということで、サイアーラインでいえば、オグリキャップの系統とは言わないのがサラブレッドの世界。
系統で言えばいま日本を席巻しているサンデーサイレンス系、王道の系譜でした。
血統以外でも、やはり、強烈な3連勝はその祖父オグリキャップをほうふつとさせる面はありましたし、芦毛の要素は完全にオグリキャップです。
母の父オグリキャップを超える3連勝で、おまけに大差圧勝。
こんなに夢を見させてくれたお馬ちゃんはいませんでした。
また、人懐っこく、人が寄ってくるとかまってほしくて顔を出していたとのことで、みんなに愛される、ミンナノアイドルの仔、ミンナノヒーローだったと思います。
最悪の結果になりました。
— 佐藤牧場 (@satofarm927) July 20, 2021
色々言われるのかもしれませんが、それに対して反応はしません。
ちょっと辛すぎます。察して下さい。
アイ君、もう走らなくて良いからゆっくりしてね。 pic.twitter.com/oJ37JR4ke7
佐藤牧場様のツイートです。
ここまでアイ君(ミンナノヒーローの愛称)を最も心配しケアし、そして居場所を作ってくれたのは牧場さんです。
①再掲ですが、一番可愛く撮れたミンナノヒーローの画像を高精細版で公開しておきます…合掌🙏
— パカパカ工房💉ワクチン5回接種済 (@pakapakakobo) July 20, 2021
佐藤牧場が情熱を傾けるミンナノアイドルの一族(オグリキャップの末裔)が今後も繁栄しますように…。
※2017年5月25日撮影 pic.twitter.com/KfScUnHeQd
ラストマンの動画を探していたら、同世代のこの馬の動画が…誕生4日目のミンナノアイドルの2017♂(父ゴールドアリュール)、後のミンナノヒーロー。
— パカパカ工房💉ワクチン5回接種済 (@pakapakakobo) July 20, 2021
岩手競馬での3連勝は夢を抱かせる圧勝続き。大事に大事に使われていたんですが…ご冥福をお祈りします🙏
※2017年5月25日撮影、再掲 pic.twitter.com/hD354PIddm
私にできることはもうほとんどなにもありません。
これからも募集のかかったお馬ちゃんたちに出資していくことで、そのお馬ちゃんの現役馬生をちょっとでも支えられればと思います。
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